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2022.04.28
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WAP国際女性デーイベント

女性幹部候補育成プログラム Women’s Advanced Program ~次世代の女性活躍、自分らしい女性活躍を考える~

<イベントレポート>
2022年3月7日、パソナグループでは「国際女性デー PASONA女性フォーラム 輝く私の未来のカタチ」オンラインイベントが開催されました。

パソナ日本創生大学校が展開する女性幹部候補育成プログラム Women's Advanced Program (WAP)では、企業の取り組む経営課題として待ったなしの状況にある女性管理職の内部育成と昇進をテーマにした「次世代の女性活躍、自分らしい女性活躍を考える」講演とパネルディスカッションを実施しました。

登壇者の皆様は、大手企業における管理職のご経験から、どのような立場から課題に向き合い、組織にどう影響を及ぼしたのか等、今後の女性幹部育成のヒントについて語りました。

登壇者

■西山 裕子 氏

ミライフ代表。大阪大学卒、同志社大学ビジネススクール卒(経営学修士)
大学卒業後、P&Gジャパンのマーケティング部にて商品開発・調査、プロモーション等を担当。在職中、育児休暇を2回取得。
2000年、ITベンチャーの立ち上げに参画し、2012年に独立。マーケティングや広報支援、セミナー講師等、実績多数。NPO法人生態会 事務局長。関西広報100 研究会代表。

 

■村田 久美 氏

株式会社新生銀行 グループ海外事業統括部 シニアマネージャー
海外事業会社のガバナンスを担当、2015年よりシニアマネージャー。

 

■山本 由紀 氏

三井住友海上火災保険株式会社 滋賀支店 大津支社 課長
2001年に広島で地域限定社員として入社。転勤ありの職種に転向し、東京勤務を経て滋賀支店にて課長、2022年3月より千葉支店にて支社長に昇格。

 

■柳橋 君江 氏

株式会社パソナ 派遣・BPO事業本部 関東営業本部 第3営業部 部長
入社して16年目。入社5年目で福岡にて初の管理職(チーム長)。その後東京本社へ移動となり3つの組織の責任者を経験。現在は、約30名の部下を持つ。

【PART1:講演】 「企業における女性活躍のメリットとは」

1.自己紹介

大学卒業後、P&Gジャパンに入社し、マーケティング部にて11年間、商品開発・調査、プロモーション等を担当しました。在職中、育児休暇を2回取得しました(マーケティング部で初めての育休取得者)。

P&Gに入社したのは、3つの理由があります。モノづくりがしたかった、国際的な仕事がしたかった、さらに女性の部長や課長が面接をしてくれたからです。私の就職活動はバブル期で、どの会社もこれからの女性活躍をうたっていましたが面接官が全員男性でした。P&Gは面接官が女性でしたので、部長や課長が女性という今後の自身の活躍をイメージすることができました。私が入社する前から女性活躍を推進していたP&Gは連続成長中で、株主への配当は65年間連続増配、131年間連続配当、株価は1970年代から2020年代で約60倍もの成長を遂げています。企業価値・株価をあげることを重要視し、性別は関係なく実力主義の会社でした。

2000年、ITベンチャーの立ち上げに参画し、3名から100名以上の組織へと成長を推し進めました。会社は東京でしたが、私は関西在住で、当時にしては珍しく、在宅勤務を行っていました。子どもの様子を見ながら、インターネットで仕事ができる環境は、私にフィットしていました。だんだん規模が拡大し、大阪にもオフィスを持って西日本の支店長になり管理職としてチームを率いる経験もしました。2012年に独立し、現在は様々な企業様の商品開発・マーケティングや広報、新規事業の支援を行っています。新規事業で大切なのは、多様なアイデアです。男性ばかりの視点ではなく、女性を含めた様々な観点でイノベーションを生み出すことが成功の秘訣だと感じています。

2.マーケティングから考える女性活躍のメリット

マーケティングとは、「ニーズに答えて利益をあげること」(フィリップ・コトラー)、「経営とは、マーケティングそのもの」(元ネスレ日本代表取締役社長兼CEO 高岡氏)と言われていますが、時代によって変化しています。

考え方が変化する中で、企業が勝ち残っていくためには、自社は、顧客・競合に対して立ち位置を明確にする必要があります。社内で女性が活躍すれば、組織の多様性が生まれ、経営力が向上します。従業員の満足度が上がり、採用への好影響もあります。今の大学生は、男性であっても育児休暇が取れるか、働きやすい会社かを気にします。社内で女性が活躍することができる、働き方改革が進んでいると伝えることは、今後、優秀な大学生に選ばれ、勝ち残るために重要なポイントの一つです。

3.立ちふさがる壁と解決への道

経営者の方々にお話をきくと、女性を活躍させたいと思っても、「結婚・出産で、見通しが立たない」、「女性自身が、管理職になりたがらない」、「女性だけを、特別扱いできない」という声を聞きます。出産を伴う女性のライフイベントを考慮すると、働き盛りの30代・40代に仕事に集中できないので、どう育ててよいかわからない、というのです。

しかし、最近の傾向では、出産しない方や結婚しない方が増加しています。結婚しても仕事を続ける方が一般的になり、所謂M字カーブではなくなってきています。

さらに、「ぷちでガチ!育休MBA(現、子連れMBA)」という、育児休暇中の方々が経営学を学ぶ活動の受講者56名にアンケートを取った結果、75%が将来管理職になりたいと答えました。

よくある「女性は管理職になりたがらない」という調査とは、非常に異なっていて、かなり意欲的であることがわかります。

特徴的だったのは、「あなたの会社にロールモデルはいますか?」という質問に、8割がすでに職場に女性管理職がいると答えたことです。「仕事を続ける理由」としては、「自己実現、成長」「子どもとの適度な距離感」など様々な理由がありました。

「女性」といっても、個々のニーズやライフスタイルは様々です。また、ロールモデルがいることがその人の視野を広げます。機会と活躍の場が人を作っていくのです。

女性の活躍は、自社発展のための有益なツールになります。ですので、企業の発展のため、社会を良くしていくために、女性の活躍を応援して頂けたらと思います。

【PART2:パネルディスカッション】次世代の私たちが考える女性活躍、育成に必要なもの

日本の企業は、女性活躍に取り組んでいるとはいえ、スピードが遅いのが課題の一つです。本日は、各社の取り組みをご紹介頂きながら、女性活躍へのヒントを頂きました。

 

Q)管理職になったときの気持ちは?

(村田さん)選ばれた、認めてもらったことが、すごく嬉しかったです。管理職になってからは、「私できるのだろうか」と不安になりました。その不安を、上司に話すことにより、アドバイスや励ましをもらうことで、業務を遂行できたと思います当社では、女性活躍が進んでいることもあり、ロールモデルも身近にいました

(山本さん)入社した20年前は、女性が課長になるということは想像もできませんでしたが、歴代の上司に「将来、管理職になる可能性があるから」と色々な視点でのアドバイスを頂いてきました。部下はいないのでマネジメントの必要はありませんでしたが、課長職ということで仕事に求められる水準があがってきました。来月、部下を持つことになりますが、組織をマネジメントするという覚悟をしなければいけないんだなと思いました。

(柳橋さん)元々パソナグループは女性管理職が多い会社で、男女関係なく仕事をがんばればチャンスがあり、ロールモデルもいる恵まれた環境でした。自分にできるのだろうか、

完璧でなければならないのではないか、と不安はあったが、「何かあればいつでも相談にのるよ」「チームでやる仕事なんだから、一人でやるわけではないし、みんなで頑張ればいいじゃない」と周りに背中を押して頂いてのスタートでした。

 

 

Q)多くの会社が女性管理職任命について壁を感じています。その壁をどのように乗り越えていますか?

(山本さん)女性管理職の割合が、当社は直近で16.5%。比率はまだまだ少ないのが現状です。ロールモデルがいないことで、不安を抱えている社員もいます。そこで当社では、「マネチャレ」(現在とは異なる部署の管理職として1週間働いてみる)という研修を実施し、組織目標をどんなふうに作って部下に伝えていくのか等を学んでいる。自分がもし管理職になったら、どういう仕事ができるのかを伝えることで、女性管理職候補だけでなく、受け入れ側も女性でも大丈夫と認識できるような内容になっています。

(西山さん)素晴らしい取り組みですね。管理職の男性はたくさんいますが、女性の管理職はイメージがつきにくいので、トライアルでもやってみるのはとてもよいと思います。

(村田さん)当社では、数値目標を掲げています。2023年3月までに、グループ5社の女性管理職比率を18%にするというもので、現在すでに、18.3%に達しています。そのほかの取り組みとしては、2019年に女性管理職育成プログラムを開始しました。異なる部門の管理職がスポンサーとなって育成していくもので、99名の女性が受講し50名が昇格しました。

(柳橋さん)壁を突破できている企業様は、まだまだ少ないのが現状です。ライフとワークの両立のイメージがわかない、という相談を社内外から受けることがあります。イメージできるようにするためには、管理職ってこういうものだよ、こういう働き方があるよ、とロールモデルを伝える仕組みを社内に作っていくことが大切なのではないかと思っています。パソナでも、女性管理職育成研修や子育て中の女性コミュニティを作り、意見交換ができる場を設けています。そういった仕組み作りが大切だと思います。

Q)「女性向け」の研修などに対して、どのように考えていますか?

(柳橋さん)他社さんでは、女性を特別視しているのではという議論になることもあるようです。特別視しているということではなく、女性はライフイベントに応じて働き方を考える機会が多いので、仕組みを設けることは重要だと思います。

(山本さん)女性を含めて多様な人の意見を取り入れるというのは、組織力の強化という面では不可欠だと思います。当社では、まだ女性管理職比率が少ないので積極的に改善しようという動きはあります。女性向けの研修を実施したり、副部長という女性向けのポジションを作ったりしています。

Q)WAP(女性幹部候補育成プログラム Women’s Advanced Program)に参加して、いかがでしたか?

(村田さん)私がこれまで参加した管理職向けの研修の参加者は、男性ばかりでした。自分の悩みを共有したり相談したりしあう場ではなく、研修の場限り、というもので残念に感じていました。今回、パソナ日本創生大学校が提供する「WAP(ワップ)」研修でメンバーと寝食を共にし、課題について一緒に悩んだりする中で、仕事やプライベートのことを相談できる仲間を作ることができました。他社の女性管理職同士のネットワークができたのが最大の利点でした。

(西山さん)女性特有の悩みもありますものね。

(山本さん)WAPでは、異業種の女性管理職の方々と出会い「こんな働き方ができるんだ」と知ることができました。私自身は、まだ部下のマネジメント経験がなかったので、他社の事例をお聞きして参考になりました。何より、仲間ができたことで「私がんばっていける!」と思えました

(柳橋さん)とても必要な研修だと思いました。研修が終わった後も、参加したメンバーで「こんな記事を見つけたよ」「こんなセミナーがあるよ」というやりとりが続いています。WAP研修で生まれた絆は、宝だと感じています。

(西山さん)社会が変化していく中で、自社だけでなく社外からの情報をインプットしていくことが大切だと思います。

WAP研修を経て、今後、自社で取り組みたいこと

(村田さん)よいチーム、よい組織づくりを目指していきたいと考えています。メンバーがお互いに助け合って充実感を得ながら、皆が視座を高められる組織づくりをしていきたいです。

(山本さん)管理職として求められているのは、組織の目標達成と人材育成だと思っています。部下のマネジメントをすることになったら、メンバー全員が自分の目指す姿を考えて、そこに向かって成長しているという実感を持てる組織にしていきたいと思います。

(柳橋さん)もう一つ上のステージにチャレンジしたいけれど不安があって踏みとどまっている方がいるのであれば、その方が一歩踏み出せるように背中を押してあげられるような存在になっていきたいと思っています。「働く」ことや「人生」について真剣に考えているからこそ不安や悩みがあると思うので、社内外問わず、色んなロールモデルを知る機会を提供できるように活動していきたいです。

(西山さん)みなさんの益々のご活躍をお祈りしています。ありがとうございました。

(司会:植木さん)皆さんのお話をお聞きして、仕事の責任や意思決定などの「挑戦」の機会だけでなく、上司が育ててくれているという「安心」できる環境がセットでないと両立しないのかなと感じました。会社によって、女性の意欲の引き出し方のバリエーションはそれぞれですが、自社にあった抜擢の仕方を各社が続けていくことが重要だと思っています。

皆さん、貴重なお話を本当にありがとうございました。

【参加者の声】(当日ご参加くださった方から頂いたアンケートより)

●弊社でも抱えている悩みが同じだったことが分かりました。女性のネットワーク作りの必要性や異業種交流も取り入れることが有効であることも良く伝わりました。最初はどのように何から手を付けていくのが良いのかを早速検討しているところです。本日はありがとうございました。

●女性活躍におけるロールモデルの必要性について、とても参考になる意見をお聞かせ頂くことができました.

●更なる一歩を踏む出す勇気がもらえました。

●今回ご登壇されていた女性管理職の皆様も、はじめは不安に感じていたことがわかり、管理職に限らず何かに挑戦するときに「自分にできるのか」と悩むよりはまずやってみようとする心が大切なのではないかと感じました。誠実に一生懸命取り組んでいれば、周りに助けてもらいながら進む方法もあるのだと少し心が軽くなりました。

●女性管理職を増やしていくにあたり、壁と言われるものは社会が作ってしまっているものであり、一人ひとりに寄り添い、チャレンジしたい方をサポートし、そして、管理職がさらに次世代を育てていく社会が出来たらよいと思いました。これは女性活躍に限らず、誰もが輝きイキイキ活躍できる組織つくりに大事なことだと感じました。セミナーの開催をいただき、ありがとうございました。

●「同じ女性といっても多様」という言葉に救われました。管理職として働くことにも社会で管理職を増やすことにも、より前向きな気持ちが持てました。

●自身も昇格し7月からマネージャー職になりますが、覚悟ができておらず不安な面も多かったのですが、女性ならではの不安など皆同じ不安を抱えていたんだと参考になりました。

●イノベーションを起こしていくにはアイデア・観察が必要で、そのためには女性を含めた多様な視点や社内外のネットワークが不可欠なのですね。本セミナーで、改めて女性活用の強みを学びました。